シトロネラールって虫よけになるの?香りで虫を遠ざける植物成分の特徴
チャキン
レモンユーカリというユーカリ
「レモンユーカリは虫よけになる」と聞いたことがあるけれど、その理由や根拠はよくわからない…という方も多いのではないでしょうか。
実は、レモンユーカリの葉から得られる精油を加工して作られる PMD(p-メンタン-3,8-ジオール) という成分が、その効果の鍵を握っています。
欧米では、PMDはDEETやイカリジンと並ぶ主要な虫除け成分として広く使われており、米国環境保護庁(EPA)や疾病対策センター(CDC)でも認められています。
この記事では、PMDとは何か、その特徴や海外での評価を解説します。
レモンユーカリ(学名:Corymbia citriodora)は、オーストラリア原産の樹木で、葉にはレモンのような爽やかな香りを持つ精油が含まれています。
この精油を蒸留・加工すると、PMD(パラメンタン-3,8-ジオール) という成分を得ることができます。
米国CDCやEPAによれば、PMDは蚊やブユなどの昆虫が嫌う匂いと刺激を持ち、皮膚や衣服に塗布すると接近や吸血を防ぐ効果があるとされています。
特にマラリア媒介蚊やウェストナイルウイルス媒介蚊に対しても忌避効果があると報告されており、熱帯・亜熱帯地域のアウトドアや旅行者にも利用されています。
参考:EPA Insect Repellent Fact Sheet(EPA公式サイト)
項目 | PMD(レモンユーカリ加工成分) | 精油系(シトロネラ・レモングラスなど) |
---|---|---|
持続時間 | 約4〜6時間とされる(製品により異なる) | 約30分〜1時間程度 |
成分安定性 | 加工により揮発しにくい | 揮発性が高く持続しにくい |
海外での評価 | EPA・CDC・WHOが推奨 | 評価はあるが短時間向け |
日本ではPMDを有効成分とする虫除けはあまり普及していません。
その理由は、国内の防除用医薬部外品として承認を受けている商品が少なく、ほとんどが海外輸入品だからです。
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